Q.骨盤骨である仙骨・腸骨・坐骨・恥骨・尾骨の骨折は,後遺障害(後遺症)何級となりますか。

[仙骨,坐骨,尾骨,恥骨,股関節,腸骨,骨盤骨折]

A.

1 腸骨・坐骨・恥骨   
骨盤は,仙骨および左右の寛骨で構成されています。
寛骨は成長期は腸骨・坐骨・恥骨の3つに分かれていますが,成人となって骨成長が終了すると,1つの骨となります。
しかし,成長後の寛骨「部分」を示すものとして腸骨・坐骨・恥骨が使われます。


2 恥骨骨折あるいは坐骨骨折  
転倒あるいは尻餅をついて発症します。痛みがありますが,安静で軽快するものがほとんどとされています。
【後遺障害(後遺症)】
通常は,特に考えられません。
但し,変形が骨折後に残った場合には,骨盤骨に著しい変形を残すものとして12級5号

なお,恥骨骨折により性交時に疼痛が残るとして女子(38歳)の後遺障害慰謝料400万円を認めた判決があります(名古屋地裁 平成24年8月29日判決<出典> 自保ジャーナル・第1885号)。


3 腸骨骨折  
直接外力が加わると発症します。
【後遺障害(後遺症)】
通常は,特に考えられません。
但し,変形が骨折後に残った場合には,骨盤骨に著しい変形を残すものとして12級5号

4 仙骨骨折あるいは尾骨骨折  
尻餅をついたり,打撲などの直接外力が加わると発症します。
レントゲン写真でも骨折を見つけることは難しいとされています。
尾骨骨折は,ときには,頑固な痛みを残すことがあるとされています。
【後遺障害(後遺症)】
通常は,特に考えられません。
但し,痛みが残った場合には,12級13号(局部に頑固な神経症状)あるいは14級9号(局部に神経症状)
なお,仙骨に変形が骨折後に残った場合には,骨盤骨に著しい変形を残すものとして12級5号
しかし,尾骨の変形は,尾骨が骨盤骨に含まれないために「骨盤骨の変形」には該当しません。
その場合にも,痛みのみの評価として,12級13号(局部に頑固な神経症状)あるいは14級9号(局部に神経症状)


 

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