Q.骨盤骨折によって骨盤が狭くなり出産に影響するかもしれない場合に後遺障害として評価されますか。

[比較的狭骨盤,狭骨盤,骨盤骨折]

A.

骨盤骨折後の変形治癒によって,狭骨盤あるいは比較的狭骨盤となれば後遺障害11級相当となります。
その場合には帝王切開等の出産における困難が予想されるからです。
しかし,それは実際に帝王切開となるかは関連しません。

1 狭骨盤とは何ですか。 (クリックすると回答)

出産において産道は重要です。産道に関わる骨は骨盤です。

骨盤は,大骨盤と小骨盤に分類されます。

小骨盤は骨盤中央の仙骨を中心として大骨盤に囲まれている様な形状になっています。
分娩に関与する部分は小骨盤です。
この小骨盤入り口に児頭が入らなければ自然分娩はできずに,帝王切開となってしまいます。

2 狭骨盤となる大きさの基準はどうですか。 (クリックすると回答)

このように,狭骨盤であるかは,自然分娩となるか帝王切開となるかの判断に関わってきますので重要です。

産科真結合線と呼ばれるものを基準にして9.5センチメートル未満を狭骨盤,9.5~10.5センチメートル未満を比較的狭骨盤としているようです。
そして,日本産婦人科学会によると9.5センチメートル未満である狭骨盤については,帝王切開をすべきであるとしているとのことです。

3 骨盤骨折と狭骨盤との関係はどうですか。 (クリックすると回答)

骨盤骨折後の変形障害については後遺障害(12級5号)として評価されます。
しかし,変形傷害の結果として狭骨盤となれば,生殖・出産に影響するために別の評価が必要と考えられます。

自賠責認定においては,労災基準が適用されます。
労災基準では,狭骨盤あるいは比較的狭骨盤となった場合には,生殖機能に障害を残すものである第11級の9を準用するとされています。
したがって,自賠責認定においては11級相当となります。

4 狭骨盤と実際の帝王切開との関係はどうですか。  (クリックすると回答)

後遺障害11級相当の認定は,「狭骨盤あるいは比較的狭骨盤となった場合」になされます。

実際の出産の有無,帝王切開とは関係はしません。特に,帝王切開は児頭の大きさとも関連しますので,必ず帝王切開となるとは言い切れません。

逆に,骨盤骨折後に帝王切開となったとしても「狭骨盤あるいは比較的狭骨盤となった場合」に該当しない場合には,その点をとらえて慰謝料等の請求は困難と考えます。
それは,帝王切開となる原因は種々あり得るからです。

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