Q.股関節の可動域制限についての後遺障害(後遺症)認定はどうなりますか。

[主要運動,人工骨頭,参考運動,股関節,関節強直,骨盤]

A.

股関節の主要運動は,屈曲・伸展/外転・内転です。
その制限の程度によって,8級6号(用廃),10級10号(著しい障害),12級6号(単なる障害)と認定されます。

1  主要運動・参考運動,自動・他動(クリックすると回答)

股関節の主要運動は,屈曲・伸展,外転・内転です。
なお,股関節の参考運動は,外旋・内旋です。
また,健側(負傷していない側)と患側(負傷した側)とを比較して,自動ではなく他動で比較をします。
屈曲・伸展あるいは外転・内転の合計で比較します。
屈曲位が,20°ないし70°の場合に二通りの記載方法があります。 ①屈曲20°から70°(もしくは70°から20°)
②屈曲70°伸展-20°

2  8級6号(用廃)認定とは(クリックすると回答)

「1上肢の3大関節の1関節の用を廃したもの」
次のいずれかに該当するものです。

a. 関節が強直したもの
関節強直とは,関節自体が癒着して可動性をまったく喪失した状態を言います。
認定においては,完全強直を言います。つまり,関節が全く可動しないか,またはこれに近い状態を言います。
「これに近い状態」とは,健側の可動域の10%程度以下(5度単位で切り上げて計算します。)に制限されたものをいいます。

b. 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの
「これに近い状態」とは,他動では可動するが,自動では健側の可動域の10%程度以下(5度単位で切り上げて計算します。)に制限されたものをいいます。

c. 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち,その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
なお,股関節は主要運動が複数ある関節のため人工関節・人工骨頭を挿入置換した場合は,主要運動のいずれか一方の可動域が健側の1/2以下に制限されていれば「関節の用を廃したもの」として認定することとされるとなっています。

3  10級10号(著しい障害)認定とは(クリックすると回答)

「1上肢の3大関節の1関節の機能に著しい制限を残すもの」
次のいずれかに該当するものです。

a. 関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

b. 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち,その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されていないもの

4  12級6号(単なる障害)認定とは(クリックすると回答)

「1上肢の3大関節の1関節の機能に制限を残すもの」
次に該当するものです。
関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの

5  参考運動の考慮はありますか(クリックすると回答)

股関節の可動域において屈曲・伸展は+10度,外転・内転は+5度超える場合は,参考運動である外旋・内旋について可動域角度が1/2又は3/4以下に制限されていれば等級認定するとされています。

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