Q.PET画像と外傷性による高次脳機能障害の関係はどうですか。

[PET,うつ,びまん性,前頭葉,帯状回]

A.

びまん性脳外傷後に高次脳機能障害となった患者のPET画像としては,両側前頭前野内側から底部,両側帯状回で代謝機能の低下が見られます。しかし,PET画像は,機能画像(脳のその時のコンディションを示す画像)であり,うつ等の心因的要因によっても,低下があります。MRI,CTの形態画像とは区別されています。

従って,外傷性脳外傷(脳損傷)の「証拠」としては,現時点では決め手にはなりません。PET画像を唯一の証拠として,訴訟提起することは現時点ではお勧めできません。

1 PETとは
核医学の1つであり,FDG-PETとして脳における糖代謝を観察するものです。なお,この点についての詳細はこちら→リンク(クリック)
特に,最近では,SPM(統計学的画像解析)により脳代謝機能の低下があるかについて視覚的にとらえやすくなりました。

2  びまん性脳外傷後に高次脳機能障害となった患者のPET画像
帯状回,前頭前野内側,前頭葉底面,視床で有意に脳代謝機能低下をとらえることができるとされています。
さらに,臨床場面で使われる統計画像解析であるeZIS(easy Z score imaging system)解析でも同様に両側前頭前野内側から底部,両側帯状回で代謝機能の低下が観察されます。
したがって,SPMとも共通する両側前頭前野内側から底部,両側帯状回で代謝機能の低下がびまん性脳外傷後に高次脳機能障害となった患者のパターンであると考えられます。

しかし,これは逆は必ずしも心ならずで,かかるパターンを示しているからといって,脳外傷受傷の証明とはならないのです。

むち打ちや脱臼、脊髄損傷など、幅広い疑問にもお応えします。ご相談は埼玉の弁護士、むさしの森法律事務所にご連絡ください。

0120-56-0075 受付時間:月~金(土日祝日も対応)午前9時30分~午後10時

フォームからのご相談予約はこちら

ページの先頭へ戻る