Q.記憶障害については,どのように分類されるのでしょうか。

[Ribotの法則,エピソード記憶,作話,前向性健忘,意味記憶,短期記憶,記憶障害,逆向性健忘]

A.

記憶障害には,

(1)エピソード記憶の障害(前向性健忘,逆向性健忘)

(2)短期記憶障害

(3)意味記憶障害

(4)作話
 があります。



(1)  エピソード記憶の障害(前向性健忘,逆向性健忘)

発症の時点から見て,それよりも新しい記憶が障害されているもの(前向性健忘),
それよりも前の記憶が障害されているもの(逆向性健忘)に区別されます。

前向性健忘は近時記憶の障害です。
数個の単語を聞いて直後は思い出せるのに(即時記憶は正常であるのに),
しばらくして干渉が入ると,あるいは干渉が入らなくとも,
記憶情報のリハーサルをしないと数分後には思い出せないというものです。

これは,言語性に限らず,図形のような視覚性情報も障害されることがあります。

言語性と視覚性のいずれか一方だけの場合もありますが,程度の差はあっても両者とも障害されることが多いとされています。


逆向性健忘は,記憶情報がどの程度まで坂のぶることができるかを期間で表します。

古い情報よりも新しい情報の障害の方が強いという時間的勾配があることが少なくないとされています(Ribotの法則)。

 

(2)  短期記憶障害

数字を行く使いってそれを繰り返す数唱のような少量の情報をごく短時間蓄えてそれを取り出す記憶が障害されているものです。

しかし,数唱は,記憶障害と言うよりもワーキングメモリの中央遂行系における注意低下で生じることもあり得るため,純粋の短期記憶障害についての検討は現在でも十分ではないようです。

 

(3)  意味記憶障害

事実,概念,語彙などの「知識」と呼べる確立した記憶が幅広く,あるいは部分的に障害されたものです。

物品の意味を同定する,呼称する,用途を説明すること,名称に対して正しい物品や絵を選ぶこと,「語」の意味を理解したり説明したりすること,等が障害されています。

健忘失語では呼称ができなくとも,正しい呼称を与えられると即座に肯定できるのに対して意味記憶障害では,分からない,あるいははっきりとした自信がないといった対応がされます。

 

(4)  作話

作話は,意識清明な状態で,意図無しで表出される記憶内容の変造をいいます。

聞く障害に伴って起こる症状です。
記憶障害患者が作話をする頻度は必ずしも高くないとされています。

むち打ちや脱臼、脊髄損傷など、幅広い疑問にもお応えします。ご相談は埼玉の弁護士、むさしの森法律事務所にご連絡ください。

0120-56-0075 受付時間:月~金(土日祝日も対応)午前9時30分~午後10時

フォームからのご相談予約はこちら

ページの先頭へ戻る