Q.高齢者の頭蓋骨骨折には何か特徴はありますか。

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A.

高齢者は,交通事故に遭いやすく,またその結果として頭蓋骨骨折を生じやすい特徴があります。そして加齢から生じる様々な問題があります。

1 交通事故によるものが多い
注意力と動作の緩慢さから防御反応が低下していることから,歩行中の事故が頭部外傷に結びつきやすくなります。つまり,もう少し若ければ上肢・下肢・体幹の骨折ですんだものが,転倒によるなどして頭部外傷となりやすいと言えます。

2 頭蓋骨骨折となりやすい
骨皮質が薄くなっている上に,骨粗鬆症もあるために,頭蓋骨の弾力性は低くなっています。そのため同程度の外力でも高齢者の場合には頭蓋底骨折や粉砕骨折となりやすいのです。

3 合併症を起こしやすい
加齢によって,頭蓋骨と硬膜との癒着が強くなっているために,骨折と共に硬膜も断裂しやすくなっています。そのために頭蓋底骨折では髄液漏を合併しやすくなります。また感染症も合併しやすくなります。
しかし,頭蓋骨と硬膜の癒着が強いために硬膜外血腫の発生率は低いと言われます。

4  頭蓋内血腫・脳挫傷の発症率が高い
高齢者のために脳萎縮が進んでいます。そのために頭蓋と脳との隙間が広いために頚椎を支点として加速度運動が加えられた場合には,脳が激しく運動して血管の断裂が生じやすくなります。
そのため頭蓋内血腫・脳挫傷の発症率が高いのです。他方では,頭蓋内血腫が生じたとしても,隙間が広くて余裕があり,脳内の水分含有量が低いことから脳浮腫が生じにくく,生じたとしても遅い傾向があります。
そのために,頭蓋内圧亢進の進行が遅くなります。
そのことはよいのですが,逆に,症状悪化の診断が遅れやすいか見のがしやすいとされています。

5 時として致命傷になりかねない
高齢であるために,脳にとどまらない,心臓・肺・腎臓といった全身機能の障害を伴い,それが事故による受傷後の二次的脳損傷を生じやすいとされています。また,衰弱している中で合併症を併発すると致命的なものとなるリスクも高いものです。

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