Q.脳神経麻痺にはどのような症状がありますか(口の中の動き,その2)

[三叉神経,咽頭,嚥下,脳損傷,脳神経,舌咽神経,迷走神経]

A.


脳神経麻痺の症状には色々なものがあります。
催吐反射,軟口蓋反射とは口の中の動きを調べるもので,舌咽神経,迷走神経(リンク)といった脳神経麻痺の可能性が示されることがあります。

1 どんな検査?
お医者さんに口の中をのぞいてもらいます。そのときに患者であるあなたは,口を開いています。お医者さんに,金属のへら(舌圧子と言います。)でいわゆる喉・・・,扁桃腺,舌の奥等を触れていきます。これでわざと吐き気を催させるのが催吐反射です。英語でGag Reflexと言います。またお医者さんは,歯の奥の柔らかい部分(軟口蓋と言います)もへらで刺激します。すると軟口蓋が後に引っ込む様な反射を起こします。これが軟口蓋反射です。

2 催吐反射はどうして起こるの?
咽頭(いわゆる喉・・・)の運動は,咽頭筋に支配されています。刺激を受ければ反射が正常であれば速やかに縮んでいきます。そして,自然に「ウエー」となります。
汚い話で恐縮ですが,酔っぱらいが吐くときに指を口の中に入れていることがありますが,それも同じ「理屈」です。
催吐反射は延髄を中枢にして延髄から下行するのが迷走神経,逆に延髄に上行するのが舌咽神経です。異物を飲み込まないように人間の体はうまくできているのですね。
この催吐反射は左右に分かれています。つまり左右両側にあります。催吐反射が起こらないと言うことは舌咽神経,迷走神経の障害,つまり神経麻痺があることを意味しています。左右両側とも反射が消失することは神経麻痺以外の原因に因るために(ヒステリーが考えられるとされています。)一方の反射消失のみが病的な意味があるとされています。

3 軟口蓋反射はどうして起こるの?
軟口蓋反射は催吐反射と同じに延髄を中枢にしています。延髄から下行するのが迷走神経,逆に延髄に上行するのが舌咽神経及び三叉神経です。軟口蓋反射が起こらないと言うことは催吐反射と同じにこれらの神経の障害,麻痺があることを意味しています。なお,軟口蓋反射も催吐反射と同じく左右一側の消失のみが病的意味があるとされています。

4 後遺障害とはどういう関係があるの?
この反射消失を示していることだけでは,嚥下障害にはなっていないことが多いと思います。しかし,反射消失は舌咽神経,迷走神経の障害,つまり麻痺があることを示しています。それはイコール,脳損傷があることを示しているもので,その他の症状も脳損傷が原因となっていることを説明する重要な要素となります。

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