Q.頚椎捻挫(むち打ち)で12級13号(頑固な神経根症状)が認められるための頚部神経症状所見について(1)握力(2)徒手筋力テスト(3)筋萎縮検査(4)知覚検査とは何ですか。---むさしの森法律事務所

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A.

神経根症状としては障害神経根が支配する筋力低下,筋萎縮が見られます。
これらのテストでは,とくに(2)徒手筋力テスト(3)筋萎縮検査が重要です。

1 (1)握力とは (クリックすると回答)

上肢の筋力低下を大まかに簡単に見るためのものです。通常はいわゆる握力計を用いますが,関節リウマチなどで握力が著しく低下している場合には水銀血圧計を改良した握力計を用いることがあります。
数値として明らかに左右差あるいは,両手ともの低下が見られることは多くありますが,自賠責調査事務所は,恣意的に数値がいじれる,つまり意図的に力を弱めて低い数値にすることができるとして重視しないという意見もあります。

2 (2)徒手筋力テストとは (クリックすると回答)

個々の筋肉で筋力が低下しているかどうかを徒手的に,つまり検者の手を使って評価する検査方法です。
頚部神経症状では,上肢の筋肉において筋力低下が見られるかがテストされます。
そして,頚椎からの神経根の支配領域に対応する筋力低下が診られるかがテストの目的です。
筋力テストは5を正常としてゼロまでの6段階で評価され,中間的と判断されると5-,4+とか表現されることがあります。
3は抵抗が加わると関節が全く動かない状態を言うために,筋力低下が疑われます。

頚部神経症状のために筋力テストが行われるのは,上肢の次の筋肉になります。
①三角筋②上腕二頭筋③上腕三頭筋④手関節伸展筋⑤小指外転筋

なお,

①三角筋は頸髄神経C5および6,

②上腕二頭筋も同じくC5および6,

③上腕三頭筋はC6・7・8

④手関節伸展筋はC6・7・8

⑤小指外転筋はC8及び胸髄神経T1が支配領域です。

従って,三角筋,上腕二頭筋,上腕三頭筋に筋力低下(3,2+,2となった場合)が認められると頸髄神経C6の障害が疑われます。そして,C5/6でのヘルニア等による神経圧迫を疑う画像所見と一致があれば,他覚的所見があることになります。比較的多い神経障害です。

①三角筋
肩の丸みを作る大きな筋肉です。
②上腕二頭筋
上腕は肩の付け根から肘までです。手を伸ばしたときに内側にある方の筋肉です。力こぶになるものです。
③上腕三頭筋
上腕二頭筋とは,反対側の外側にある筋肉です。

3 (3)筋萎縮検査とは (クリックすると回答)

筋力テストと同様に頚椎からの神経根の支配領域に対応する筋萎縮が診られるかがテストの目的です。麻痺が続いていくと筋萎縮が生じるからです。
上腕と前腕について周りの長さの計測により行います。まさしく客観的な所見として重視されます。

4 (4)知覚検査とは (クリックすると回答)

頚部神経症状を調べるものは知覚検査でありますが,感覚検査とも言います。
四肢の感覚には皮膚感覚と深部感覚があります。
問題にするのは,皮膚感覚であり,その中でも触覚と痛覚です。それぞれ,正常を中心にして過敏,鈍麻,消失と評価されます。
完全な神経断裂では感覚消失(脱失)となり,不完全な神経損傷では鈍麻となります。快復期や軽度の圧迫では健常部との境界では過敏となります。
感覚障害が出現した部位をそれぞれの神経の支配領域と照らし合わせることによって,損傷している神経が判断されます。
そこで,正常ではない評価が出された場合には全体としての評価だけではなく,具体的な部位も記載して頂くことが重要です。なお,残念ながら自賠責調査事務所は重視しないという意見もあります。

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