Q.足関節の脱臼骨折による後遺障害(後遺症)はどうなりますか。靱帯損傷の場合は,どうですか。

[動揺関節,反復性脱臼,機能障害,足関節,靱帯損傷]

A.

足関節の骨折には,内転骨折・外転骨折があります。
あるいは,骨折をしていなくとも靱帯損傷で亜脱臼となることもあります。
足関節の機能障害が生じた場合
受傷部位に疼痛が残存した場合
足関節に動揺性を残した場合
それぞれ後遺障害(後遺症)に該当する可能性があります。

1 足関節とはどのようなものですか。(クリックすると回答)


足関節には,内果(ないか,うちくるぶし脛骨の下端)及び外果(がいか,そとくるぶし腓骨の下端)があります。

内果は距骨(きょこつ)と,外果は踵骨(しょうこつ)と強い靱帯で結びつけられています。さらに脛骨と腓骨との間にも強い靱帯があります。

2 足関節の脱臼骨折は,どのようにして起こるのですか。(クリックすると回答)


足関節の骨折には,内転骨折・外転骨折があります。

内転骨折とは,外力によって足関節が内転や回外を強制されると,外果が裂離骨折を起こして内果が距骨に突き上げられて骨折するものです。

外転骨折とは外力によって足関節が外転と回内を強制されると,内果が裂離骨折を起こして外果が踵骨に突き上げられて骨折するものです。

なお,裂離骨折を起こさなくとも,それぞれの靱帯だけが断裂することがあり,足関節が脱臼・亜脱臼していることがあります。

3 靱帯損傷はどのようにして起こるのですか。(クリックすると回答)


足関節の捻挫により足部が内反を強制されて足関節の靱帯・関節包・皮下組織に損傷が生じることがあります。

大半が前距腓靱帯(距骨と踵骨を結ぶ強い靱帯前面)のみの損傷ですが,踵腓靱帯(腓骨と踵骨を結ぶ強い靱帯)の断裂も起こることがあります。

重傷の程度は不安定性に関わってきます。

前距腓靱帯が完全断裂すると足関節脛骨関節面と踵骨足関節面が平行でなくなり角度がついてしまいます。つまりずれが生じます。

4 足関節骨折の後遺障害(後遺症)はどうなりますか。(クリックすると回答)


足関節に機能障害が残る可能性があります。

健側に比べて
可動域2分の1以下=1関節の著しい機能障害
→10級11号
可動域4分の3以下=1関節の機能障害
→12級7号

あるいは機能障害がなくとも骨折受傷した部位に疼痛が残れば12級13号もしくは14級9号に該当します。

5 靱帯損傷の後遺障害(後遺症)はどうなりますか。(クリックすると回答)


軽傷であれば後遺障害がなく治癒します。
しかし,足関節に動揺性が残る動揺関節となることがあり得ます。

つまり,動揺関節とは,関節の安定性が反復性脱臼により,関節包が弛緩して関節の安定性が損なわれたため,関節の可動性が正常よりも大きく,あるいは異常な方向に運動が可能になったものを言います。

特に靱帯損傷が原因で生じている場合は関節不安定性と呼ばれています。

動揺関節については,次の記事をご参照下さい。

動揺関節とは何ですか。後遺障害はどうなりますか。---交通事故賠償は,むさしの森法律事務所(リンク)

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