Q.定年退職年齢の延長あるいは,雇用延長が逸失利益算定に与える影響はありますか。

[定年退職,給与所得者,継続雇用,高年齢者雇用安定法]

A.

逸失利益は,就労可能年数を原則67歳まで,高年齢者については平均余命2分の1まで を喪失期間として算定します。


しかし,法改正(高齢者雇用安定法)により定年年齢が引き上げられてきており,この点から,就労可能年数あるいは基礎収入額に変化があるのか新たな問題となります。

1 実務での原則的な考え方はどうですか。   (クリックすると回答)

就労可能年数を原則67歳までとし(但し,2の「高年齢者」は異なります。),実収入を基礎収入として逸失利益を計算し,67歳未満の定年退職制があったとしても考慮しない代わりに退職金も考慮しないとされています。

ただし,労働能力喪失期間は,原則として就労可能年齢である67歳までですが,高年齢者については簡易生命表の平均余命2分の1としています。
高年齢者とは,言葉の言い換えのようですが,このように67歳よりも簡易生命表の平均余命2分の1までの期間が長い年齢の当事者を言います。

男性62歳ならば67歳までではなく,平均余命である21.48年(平成25年度)までの2分の1である10年間となります。

2 法改正(高齢者雇用安定法)の影響はありますか。  (クリックすると回答)


高年齢者雇用安定法改正(平成16年)によって,65歳未満の定年の定めをしている事業主は65歳までの安定した雇用を図るために2006(平成18)年4月1日から,次のいずれかの措置をとらなくてはならなくなりました。

①定年年齢の引き上げ
②継続雇用制度の導入
③定年制度の廃止

そして継続雇用制度を導入する際に賃金低下を防ぐために雇用保険による高年齢雇用継続基本給付がもうけられています。
すると,定年制度が従来とは異なっており,また継続雇用,高年齢雇用継続基本給付も導入されて極めて複雑になっています。
さらに老齢厚生年金を在職中に受給することも可能であるために,ますます複雑になります。

しかし,この点については,65歳までの雇用の確保がなされるだけであり,その点から再雇用の蓋然性は高くなったものの,その際の収入立証は現実的に極めて困難であるとして,逸失利益の認定方法には影響をしないという見解が有力と思われます(法曹会編 「交通事故損害賠償の未来」p145)。

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