Q.頭部外傷後精神病性障害(PDFTBI)とは何ですか。

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A.

頭部外傷後に平均4,5年後と遅れて出現する

統合失調症に類似した被害的幻覚状態を主とする精神状態とされています。

なお,現在の診断されている症例は重度の意識障害が受傷時にあり,

画像所見も得られているものばかりです。


1 頭部外傷後精神病性障害(PDFTBI)

頭部外傷後に平均4,5年後と遅れて出現する統合失調症に類似した被害的幻覚状態を主とする精神状態 とされています。
PDFTBI:Psychoic Disorder Following Traumatic Brain Injury


2 特徴

(1)発現頻度 0.7%~8.9%と幅がある。ただし,一般母集団と比べて有意に高い。

(2)頭部外傷から発現までかなりの年月を経ており,平均4,5年とされている

(3)幻覚を伴う被害的妄想状態

(4)側頭葉及び前頭葉に病変が見られ,とりわけ側頭葉に異常が見出される頻度が高い。

以上「脳神経外科学Ⅰ 太田富雄編 金芳堂 p60」


3 意識障害および画像

公開されている論文では「妄想知覚と情動認知の歪み:PDFTBIにおける検討」
(認知リハビリテーションVol.14,No.1.2009,小林希代江,山田真希子,大東祥孝)があります
(大東先生は,この分野の第一人者です。)。

その検討症例は3例ですが, いずれも昏睡程度最重度で,昏睡期間も3日間から3ヶ月と長期です。

症状発現後のCTあるいはSPECTによる画像も側頭葉を主とした障害に対応した所見が得られています。

4 今後の問題

高次脳機能障害の一つとしての社会行動障害あるいは,他の症状の残存か増悪としてとらえられているものが,

実は,頭部外傷後精神病性障害(PDFTBI)の発症の可能性があり得るかもしれません。

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