Q.小児頭部外傷,特に小児頭蓋骨骨折の特徴は何ですか。

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A.

小児は頭部の占める割合が大きく,成長段階にあることから頭部外傷に関しても特徴があります。

1 頭部外傷を受けやすい
まず特徴としては,小児は頭部外傷を受けやすいことにあります。
それは,小児は頭部の占める割合が大きく,小脳の発達が十分ではないために転倒しやすいことにあります。
そして,転倒したための接触損傷だけではなく,加速度損傷も起こしやすいことになります。特に2歳以下では仰向けに転倒したような場合には,脳挫傷を伴わない硬膜下血腫を発症するリスクもあります。

2 頭蓋骨がまだ柔らかい
そのために陥没骨折が多くなっています。それもピンポン球骨折となり,粉砕骨折にはなりにくいとされています。
また柔らかいため頭蓋骨骨折がはっきりしていなくとも,その下に出血や損傷をしていることがあります。

3 硬膜と頭蓋骨の癒着が強く,硬膜が薄い
そのために,頭蓋骨骨折と併せて硬膜裂傷が起こりやすく,進行性頭蓋骨骨折になることが多くあります。

4 骨癒合が十分ではない
そのために骨折のない硬膜外出血が発生することがあります。
しかし,硬膜と頭蓋骨の癒着が強いために,硬膜外血腫が発生しても出血が拡大することは少ないとされています。
頭蓋骨は骨が成長と共に完全に縫合して閉じていきます。乳児以下では泉門があり完全には閉じておらず,幼児でも癒合が十分でないために骨縫合離開が起こりやすいのです。
このことは,頭部外傷に対して頭蓋内圧亢進を圧力を逃がして起こりにくくする作用となります。だが,いったん頭蓋内圧亢進が出現すると急激に悪化します。

5 循環血液量が少ない
そのために,頭蓋内出血により出血性ショックを起こしやすく,小さな血腫での出血量程度であっても循環血液量の現象を生じて貧血を起こしやすくなります。

6 脳が発達する可能性が残されている
そのために,成人に比較して脳損傷からの機能的な快復力が良いと言えます。
しかし,反面脳が未成熟であるために外傷後に早期てんかんを起こしやすいとされています。


進行性頭蓋骨骨折(リンク)

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