Q.運動麻痺には,どのようなものがありますか。それらの診断方法はどうするのですか。

[MMT,バレー徴候,ロンベルグ徴候,対麻痺,徒手筋力テスト,片麻痺,筋萎縮,継ぎ足歩行,運動ニューロン,運動麻痺,麻痺]

A.

バレー徴候,起立の状態,継ぎ足歩行,徒手筋力テスト(MMT)により判断されます。

1 運動麻痺とは
大脳皮質の運動中枢(いわゆる運動野)から末梢の筋肉繊維に至るまでのどこかに障害があって,随意的な運動,つまり自分の意思通りの運動ができない状態を言います。

症状としては,筋力の低下が多くみれれますが,筋萎縮,筋硬直あるいは運動失調もみられます。

2  運動麻痺の原因
大脳皮質から内包,脳幹,脊髄を経て脊髄前角細胞に至る上位運動ニューロンと,
脊髄前角細胞から筋に至るまでの下位運動ニューロンの,
いずれかの障害に分類されます。

☆脊髄前角細胞
---脊髄は灰白質を白質が取り囲む構造になっています。
灰白質つまり中央部分には前角と後角があり,そのうちの前角には運動ニューロンの神経細胞があり(前根を通じて)筋につながっています。
この様に,脊髄前角細胞は脳から筋に至る運動ニューロンのあたかも中間点になっており,そこで上位と下位に区分できるのです。

3 運動麻痺の分類
(1)程度による
完全麻痺と不全麻痺

(2)部位による
単麻痺(例えば左上肢のみ),
片麻痺(片側=左右のいずれか,例えば左上下肢),
対麻痺(例えば両下肢),
四肢麻痺



4 判断方法
(1)バレー徴候
上下肢の筋力低下を発見する簡単な方法で,軽い不全麻痺を示す徴候のことです。

上肢については,手のひらを上に向けて腕を前に水平に伸ばし,少し挙げたままの状態を保って閉眼します。
麻痺があると麻痺がある腕が内側に向いて回転して(回内),次第に下がってきます。
その現象があると上肢の下がってきた側にバレー徴候があることになります。

下肢については,腹ばいになって両下腿を膝関節のところで135°開く位置で保ってもらいます。麻痺があると麻痺側がゆっくりと下がってきます。その現象があると下肢の下がってきた側にバレー徴候があることになります。

(2)起立
片足立ちをした場合に,下肢の筋力の低下や運動失調があると,それができません。
両足をそろえて起立して閉眼すると動揺が生じて立っていられなくなることがありますが,それをロンベルグ徴候陽性(リンク)といいます。

(3)継ぎ足歩行
通常の速度で歩いた後に,直線上を一方の爪先の前に他方のかかとをもってくる歩き方=継ぎ足歩行を繰り返した場合に上手く歩けない場合に小脳障害あるいは錐体路障害が疑われます。

(4)徒手筋力テスト(MMT),握力
これらの数値も重要なものです。
しかし,自賠責保険基準において「主観的」あるいは「恣意的操作可能」として軽視する傾向があることは遺憾に思います。

むち打ちや脱臼、脊髄損傷など、幅広い疑問にもお応えします。ご相談は埼玉の弁護士、むさしの森法律事務所にご連絡ください。

0120-56-0075 受付時間:月~金(土日祝日も対応)午前9時30分~午後10時

フォームからのご相談予約はこちら

ページの先頭へ戻る