Q.交通事故後の運動失調とは何ですか。

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A.

運動失調とは,整然とした秩序だった運動ができなくなることです。

交通事故に関係するものとしては,小脳性運動失調と脊髄性運動失調がありえます。
特に,脳挫傷で小脳部分まで損傷したことによる小脳性運動失調は,生じる可能性は高いと言われています。

その場合の,後遺障害としては,高次脳機能障害も伴う可能性が高く重度と考えられます。

なお,小脳性運動失調と脊髄性運動失調の鑑別が問題となる場合には,ロンベルグ試験によるとされています。


1 運動失調とは何ですか。

運動失調とは,整然とした秩序だった運動ができなくなることです。
運動のためには,情報の入力と出力が必要です。それは運動がスムーズに行われるには速度,方向,距離がうまくコントロールされないといけないからです。

情報の入力のためには,見る・聞く・平衡感覚・位置感覚等が必要ですし,そして入力を調整して錐体路を中心としての運動の出力を制御して動作に必要な筋を協調的に動かさなければなりません。


2 運動失調の分類はどうですか。

(1)小脳性運動失調
小脳皮質と小脳への求心路,小脳からの遠心路の病変によるものです。

(2)脊髄性運動失調
脊髄後索の病変によって深部感覚や識別覚が鈍麻したり消失したりすることによる感覚性の運動失調です。

 

3 症状はどうですか。

(1)小脳性運動失調

①起立位での障害
起立位で体が前後左右に不規則に揺れ動いて,不安定なために両足を左右に広げたり,手を外転して平衡を保とうとします。軽症でも片足起立が困難であったりします(ロンベルグ徴候)。

②筋トーヌスの低下

③測定異常
深部感覚障害がないのにもかかわらず,運動が目的点を超えてしまうか,達しないことがあります。

④運動分解
運動そのものが何段階かに分解されたような異常なパターンでぎこちなくなるもので,小脳性運動失調としての協調運動障害の典型とされています。

⑤協調運動不能
上肢と体幹,あるいは,下肢などの相互にまたがる運動を同時に強調して行う能力が失われます。

⑥反復変換運動障害
回内回外運動,タッピングなどの作動筋と拮抗筋を反復して連続して運動させた場合に時間的感覚が不規則になり拙劣になります。

⑦小脳性振戦
不規則に振戦が現れます。

⑧大字症
書字の変化が現れて特に時を続けて欠いていくと次第に大きくなる傾向があります。

⑨小脳性失調性歩行
歩幅が広くなり,足を大きく踏み出し,体幹が左右に揺れ,踏み出しが大きくなり,酔っ払ってよろめいているような歩行となります。

⑩眼振

⑪言語障害
構音筋の強調が悪くなり言語が不明瞭になり,音の強さも急に変わります。

(2)脊髄性運動失調
立位保持や歩行が不安定となりますが,小脳性運動失調ほどは目立たないとされています。しかし,両足を閉じて立って目を閉じると著しく動揺して転倒することが多いとされています(ロンベルグ徴候群)。

 

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