Q.高次脳機能障害における知能検査の意味は何ですか。検査方法には,どのようなものがありますか。

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A.

 

1 知能検査の意味

知 識・見当識・記憶・計算の能力を見るためのもので,脳機能全般を評価するものです。

知能検査の結果が低ければ,
記憶障害,
注意障害,
遂行機能障害を
検査する内容がそもそも理解できません。

そのために,知能検査は,高次脳機能障害においてはスタートラインに立てるかどうかを判断する意味を持っていると言えます。



2 知能検査の種類とボーダー

①WAIS-R  Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised

世界的には現在最もよく使用されており,最も優れていると評価されている全般的な脳機能を評価する検査方法です。
いわゆるIQが算定できます。

言語性と動作性に分けられ,
言語性では知識,数唱,単語,算数,理解,類似からなり,
動作性では,絵画完成,絵画配列,積木模様,組合せ,符号からなっています。

平均得点100点,標準偏差15点になるように設定されているために,

7割近くの人が85から115点の範囲に収まるようになっています。

なお,小児用には,WISC-Rがあります。


②MMS(E) mini-mental state examination


全世界で使用されている簡易な知能検査方法です。

日付,場所,記憶などの11項目を設問として

30点満点で24点が健常とされています。


③長谷川式知能評価スケール(改訂版)
日本では最もよく使用されておりMMS(E)と同様に短時間で簡単に全般的な評価が可能なものです。

時間・日付の見当識,記憶,計算,語想起のテストです。

30点満点で20点以下が認知症の疑いですが,

簡易なテストであるために断定はできず,疑いであると言うことです。

④RCPM Raven`s coloured progressive matrices

レーブン色彩マトリックス検査と呼ばれる非言語性の認知症検査です。

一部が欠けている幾何学的図案の欠けている部分に6個の小図案から適当なものを選ぶものです。

失語症患者の知能検査に適するとされています。

なお,思考力のみの検査であって一般的な知能検査とは言えないと言われています。

しかし,「はい」「いいえ」の意思表示さえできればよいので運動障害や言語障害がある患者においても検査が可能であると言う利点があります。



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注意障害(リンク)


レーブン色彩マトリックス検査(リンク)

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