Q.一人暮らしの無職者に休業損害・逸失利益が認められますか。

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A.

事故のために,治療期間に「家事」ができなくなったり,将来への不安が残ると思います。
しかし,基本的には,自分のための家事家事労働とは言えず,いずれも否定されます。

なお,治療中にヘルパーを頼んだ費用について認められる可能性があります。
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なお詳細は,続きをご覧ください。

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1 家事労働とは何ですか。   (クリックすると回答)


かつては,いわゆる主婦の家事労働について,長く裁判例では無償の行為であるので休業損害あるいは逸失利益について否定的でした。

だが,現時点では,家事労働に属している多くの労働は実際の労働社会では金銭的に評価できるものであり,これをもし他人に依頼したとすれば,当然に相当な対価を志張らなければならないのであるから,妻は家事労働をすることで財産上の利益を挙げている(最高裁昭和49年7月19日判決)として,家事労働の財産価値が認められております。

しかし,家事労働として財産上の利益を挙げていると評価されるためには,それが自分以外の家族つまり他人のために行う労働でなければなりません。
つまり,自分自身の身の回りのことを行うことは,家事労働ではありません。

2 結論はどうなりますか。  (クリックすると回答)


すると,設問の一人暮らしの無職者には,家事労働としての休業損害は認められないことになります。
但し,ヘルパー(家政婦)を雇用して治療期間に家事労働を変わってもらったり補助してもらったことが証明できれば,その実費について賠償を求めることができると考えます。

また,逸失利益ですが,無職ということであれば,無職の理由あるいは期間によりますが,事故がなければ就職していた可能性があることの証明ができれば,逸失利益が認められると考えます。

例えば長年他人から生活費の援助を受けて生活していたところ,援助者の死亡で来月から働こうとしていた矢先に本件事故で死亡した被害者(当時49歳女子無職)の逸失利益について,事故時センサス同年齢の7割を基礎に算定されたような場合です(大阪地裁 平成5年10月29日判決<出典> 交民集26巻5号1370頁 自保ジャーナル・判例レポート第115号-No,17)。

死亡に限らず,一定等級以上の後遺障害の残った場合には,同様に考えることができると言えそうです。

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