8歳女子のスクールゾーン飛び出しについての過失割合を15%とした判決です。

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平成10年5月27日午後3時35分ころ,スクールゾーン内を走行する加害軽乗用車と被害者(当時,8歳女子)の飛び出しによる衝突につき,「スクールゾーンは,通常の場合以上に注意義務が課されていた」が,飛び出しの「被害者にも15%の過失があった」と認定しました。

仙台地裁 平成13年6月14日判決(控訴和解)
<出典> 自動車保険ジャーナル・第1432号(平成14年2月28日掲載)


【判決の趣旨】
被告は,スクールゾーン内を走行中,進路前方約35.1㍍先の左側歩道を下を向いて歩いている小学生(被害者)を認めたのであるから,被害者の動静に注意し,かつ,減速して進行すべき注意義務があるところ,これを怠り,本件事故を起こしたものであり,民法709条に基づき,本件事故により原告らに生じた損害を賠償する義務がある。

他方,前記の事実によれば,被害者においても,左右の安全を確認した上で車道を横断すべきであったものであるから,被害者の被害当時の年齢を考慮しても,本件事故の発生につき,被害者にも15%の過失があったと認めるのが相当である。

【コメント】
スクールゾーン及び時間帯から考えて,小学生の歩道から車道への横断が容易に予想された事例でした。
その点から,加害者である自動車運転者には一般車道に比較しても重い注意義務が課せられていることを示した判決です。

他方では,飛び出しとは言え,8歳の被害者に15%の過失相殺をするのは,厳しいのではないかという異論がありそうな判決です。

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